ゴラッソ合戦を制したのは風間フロンターレ

谷口を中心にした“川崎Fらしい”パス回しと耐え切る集中力で3連勝
　川崎Fは前節の松本戦（2◯0）で理想的な内容を展開したが、それも松本の厳しさを欠いたゆるいプレッシャーゆえ。その認識は選手間でも共有しており、今節は“鹿島が奪いにくる中でどれだけできるか”という部分がテーマだった。しかし、いざフタを開けてみると、鹿島は奪いに来なかった。いや、奪いに“来られなかった”というのが正解だろう。開始直後から主導権を完全に手にした川崎Fは、ボランチの谷口が3バックに顔を出してボールの出し入れを繰り返し、前へと進む。鹿島としては高い位置でハメることを狙いとしていたが、「あのタイミングで回せば相手もどこを狙っていいか分からない」と車屋が振り返るように、テンポの速いパスワークが鹿島の前線に狙いどころをしぼらせなかった。中心にいた谷口も「相手が来たら背中で受けたり、来なかったら前で受けたり、すごくうまくいっていた」と振り返る。8分のエウシーニョのFW顔負けのゴール、そして34分のレナトの20m超のミドルシュートもこの“川崎Fらしい”テンポのパスワークが生んだモノだ。一方で2点差を受けて前に出ざるを得なくなった鹿島は一転して…