■サガン鳥栖
焦点は修正力。選手全員で共有する「ホームで負けてはいけない」という思い
J1に昇格して以降、毎年ホームでの浦和戦は鳥栖にとってホーム最終戦というシチュエーションが続いていた。12年は3-1、13年は4-1で大勝。昨季は1-1の引き分けだったが後半ロスタイムの劇的な同点弾で浦和の優勝を阻んだ。ただ、鳥栖にとっても優勝の可能性がついえた一戦だっただけに悔しさは残っている。それでもやはり、浦和にとってベアスタは苦い思い出を刻んできた場であるのは間違いない。
開幕から無敗を続け、1stステージ制覇へひた走る浦和だが、鳥栖もホームでは昨季から公式戦11試合負けなしを継続中。「ホームでは強いと思う」と高橋が言うように鳥栖の選手たちはホームでの戦いに自信を深めている。また、27日に行われたナビスコカップ第6節・甲府戦(0△0)には主力のほとんどが帯同せず、この浦和戦に向けて照準を合わせている。
よりアグレッシブに前からプレスを掛けるスタイルへと変貌を遂げつつある鳥栖だが前節・川崎F戦(2●3)でもその部分はしっかり機能しており、「自信を付けてきている」と森下監督も評価している。ただ、川崎F戦の後半は3バックに変えてきた相手に…
■浦和レッズ
「いまの浦和には失敗を繰り返さないだけの賢さが身に付いている」
歴史を払しょくすることはできるのか。鳥栖がJ1に昇格して以降、リーグ戦のアウェイでの対戦成績は1分2敗。12年、13年は鳥栖に敗れたことで完全に優勝の可能性がついえた。昨季は首位で迎えた一戦で、94分の失点によって勝利を逃し2位に転落。最終的に優勝したG大阪との勝ち点差は『1』であり、結果として鳥栖に勝利していれば優勝できていたかもしれない。鳥栖という地は単に勝てていないばかりでなく、絶望を味わい続けた土地でもある。
前提として、浦和は「蹴ってくるチームが苦手」(柏木)だ。「そういう相手に対してラインがズルズル下がってセカンドボールを拾えない」(宇賀神)ことで後手に回る、またはオープンな展開になる。まさにそういう試合になったのが第11節の仙台戦(4△4)だった。ただ、わずか3週間前にその経験をしたことはポジティブに捉えることもできる。槙野は「たくさん勉強代を払ってきた」というよく使う表現をしながら、「いまの浦和には失敗を繰り返さないだけの賢さが身に付いている」と自信を覗かせた。
また、過去のアウェイ・鳥栖戦はいずれも…