盤石の橙に挑む緑。勝負の分かれ目は中盤の攻防

■大宮アルディージャ
プレスバックとインターセプトで危険の芽を摘む
　東京V戦に向けても、大宮のスタンスが揺らぐことはない。これまでどおりやるべきことをやり、相手の状況に合わせて最善のプレーを選択する。練習でもそのための鍛錬を続けている。
　ポゼッション時のボールを受けるアングルやパスを出す際のディテールは常に取り組んでいることだが、ここ最近のトレーニングで特徴的なのはサイド攻撃の比重の高さ。1試合のうちに数回はシステマチックなサイドのライン突破が成功しているだけに、そこから得点に結び付く確率を上げるための地味な作業を繰り返している。「理屈でやるのも大切だけど、何回も蹴らせたりして、イメージを付けさせる」と渋谷監督。サイドを突破しての得点が増えれば、試合運びもよりラクになるはずだ。
　対戦相手に目を向けると、…

■東京ヴェルディ
中盤でボールを失うことなく、柔軟に戦いたい
　3連勝したかと思えば、直後に2連敗。上位チームと好勝負を演じたかと思えば、下位チームに低調な内容で敗戦。安定して力を発揮できず、「上のチームと戦えなかったかといえばそうではない。逆に言えば順位的には下の相手でも一生懸命やらないと、まだまだ絶対に勝てるというチームではない」（冨樫監督）というのが東京Ｖの現状だ。波のある戦いをしながら、ほとんど五分の戦績で順位はちょうど真ん中の11位である。今節も首位の大宮が相手であるからといって、結局は東京Ｖ自体が力を出せるのか、出せないのかが一つの焦点になってくるだろう。冨樫監督も「まずチームの力を発揮して初めて、自分たちが（試合の中で）何かを改善するのか、しないのかというところが出てくる」と言う。内なる戦いをはじめに制さなければいけないチームにとって、…