Feature 特集

増加した「海外組」、それでも足りなかった「個の力」/日本代表総括

2014/6/28 12:00

マンチェスター・ユナイテッドに所属している香川だが、今季はポジションを確保できず、本田もミランで苦闘していた



ブラジル・イトゥ、最後の取材にて

 6月25日、ブラジル・イトゥでの最後の取材。その場に現れる選手たちの表情は、さまざまだった。笑顔を見せる者は当然いない。前日のコロンビア戦で味わった悔しさを引きずるように感情を露わにする選手、一晩明けて冷静に大会を振り返る選手、中には長友佑都のように、思わず涙してしまう選手もいた。日本の選手たちは皆、自分たちが抱いていた自信が力なきモノだったという事実を、痛感せざるを得なかった。

 一人、スーツ姿で表れた本田圭佑。彼は自責の念にかられていた。その中でも冷静に敗因、課題を語ろうとした姿は、打ちひしがれた中でもどこかで凛とした自分を保たなければならないというプライドのように見えた。

 コロンビア戦、日本は内容では善戦したという声も少なくない。自分たちの現状で、今できるベストに近いプレーを見せた。アルベルト・ザッケローニ監督も、客観的なデータを用いてこう話す。「昨日のコロンビア戦のデータを見ても、ポゼッション、シュート、FK、CK、パスの成功率、すべてで相手を上回っていたにもかかわらず、結果は1-4だった。何か足りないモノがあるということ」。

 本田は、その足りないモノについて、大会前はあえて封印していた考えをあらためて明かした。

「やはり、個じゃないですか。個と言ってもすごく抽象的なんですけど。うーん…(長い沈黙)まあ、作業としては多過ぎますよね。自分たちが持つ個をすべて改善できるわけではないし。ただ、個の集合体でコロンビアがああいうふうに4点を取るわけなので。もちろん彼らも皆同じようなスタイルでやっているわけではなくて。同じような武器があるわけでもなくて。その武器の質と精度というものが、われわれの個以上に上回っているという現実。それを補うために、われわれが相手以上に攻撃で人数をかける、人数をかけないと、自分たちらしさが出せないことも知っている。それを今回なかなか出せなかった。本当に1年、2年で解決できる問題なのか。そこを自問自答しながら、何を努力するべきなのかということからおそらく考えていかないといけない。4年間やってきても、大きく間違っていた。結果としてついてこない難しさを感じた」

選手たちが感じた「壁」

 格上相手に個で上回れない。本田はそれを「大会前から分かっていたことだった」と話したが、それはおそらく日本代表を見守る誰もが気付いていたことだった。ブラジルのピッチで、われわれは日の丸を背負う選手たちがあらゆる局面で、相手の個人能力に屈する場面を見せ付けられてしまった。

 遠藤保仁もこう話す。「攻撃的な姿勢をチームとして持つことが、今回の日本にとってはまず大事だった。ただ…

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