Feature 特集

「トゥー・マッチ・リスペクト」。それに尽きる/ANGLE 小見 幸隆

2014/10/17 14:02

森岡は持ち味を出し切れず前半で交代



やられっぱなしの試合

 ひさびさにやられっぱなしの試合だった。選手たちはピッチの中でどうしたらいいか分からなくなったのだろう。

 新しいメンバーを試すには、どうにも相手が強過ぎた。初先発となった森岡亮太、小林悠、田口泰士らは、あんなにすごいメンバーと対戦したことがない。デビュー戦がブラジル代表との試合…、それはないよね。ハビエル・アギーレ監督はこの日の負けに対して「ベストメンバーではない」と言い訳ができるけれど、試合に出なかった選手たちは「こんな相手とやれるチャンスなんだから出してよ」と思っているはずだ。本田圭佑が「監督の考えもあるから」と話していたように、はっきりとは口には出さないだろうが…。ジャマイカ戦をこのメンバーでやって、いまのベストメンバーでブラジル戦に臨むべきだった。

全員がほぼ均等にビビっていた

 ブラジル代表ともなれば、全員が一流だ。4得点のネイマール以外もレベルが高い。守備でもしっかり足が出る、足技もあればヘディングもある、それに手で小汚いプレーもしてくる。それに対して日本は、やり返せなかった。読売クラブの教え子たちと試合を見ていたんだけど、「ああ、この場面で相手を食っちゃえばいい(つぶしてしまえばいい)のに」と、みんな言っていた。いまのJリーガーは、なかなか汚いプレーができないんだよ。英語圏やドイツ人の指導者に、負けたときによく言われた言葉がある。「トゥー・マッチ・リスペクト」。それがすべてと言える試合だった。誰が、とかではない。全員がほぼ均等にビビっていた。これで選手たちの感想が「やっぱりブラジルは強かった」では、あまりにも残念だ。

 特に中盤の守備。相手に当たりに行っていない。相手がうまいからこそ、守備でつぶしに行かないと。誰かが犠牲になって、勇気を持って取りにいく。そうすれば、その次、次の次で取れるかもしれない。そういう、守備のきっかけ作りが柴崎岳、森岡あたりはできなかった。時にはマンツーマンを意識してやらないと、守備力は上がらない…

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